レイキと悟り

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レイキと精神性

レイキそれ自体は純粋にエネルギーですから、そのエネルギー自体に何か特定の目的が予めあるのではないと思います。目的を設定しようとしているのは、私たち人間の方だと思います。レイキをどのように使う、どういった目的で使うかというのは、人間が勝手に思って決めることになります。逆にいうと、レイキをどういった目的で使わなければならないとか、本来の目的はこれこれであるというのは、人間の勝手な思い込みではないかと思います。
一応これを大前提にしておきますが、一般的にはレイキは私たちを深い意味で幸せになるように助けてくれるという方向性は、間違いないと思います。この点はハッキリしていると思います。

ですから、レイキを施療・代替療法として使う以外に、精神性の向上や、悟りに近づくために活用するというのも当然アリです。レイキは精神性を高めるとか、心を穏やかにするとか言われていますが、レイキを使うと悟りが得られるのでしょうか? レイキの悟りとはどんなことなのでしょうか? 西洋レイキのレベル3(サードディグリー、神秘伝)は、特にこういった面にスポットを当てています。そこで「レイキと悟り」ということに関して、少し難しい題材ですが私見・私の考察をまとめておきたいと思います。

現代レイキ・土居裕先生の考える悟り

土居裕先生が創設した現代レイキは特に「レイキの目的は悟りを得ること」と強調していますので、土居先生の著書を参考に考察してみましょう。土居先生は端的に「レイキは安心立命という悟りを得るためのものである」という見解です。

土居裕先生の著書「レイキ」宇宙に満ちるエネルギー ISBN=4861060338

土居先生はこの著書の中で、くどいほど「安心立命」ということを言われています。それをピックアップしてみると:

  • p8(臼井先生は各種の職業を体験するうち)「人生の目的は、安心立命を得ることだ」という結論に達しました。
  • p11(鞍馬山での断食のあと)「手当て療法を入り口にして、人生の目的である安心立命を伝えていこう」と臼井先生は決意されました。
  • p23「宇宙の法則に沿った生き方をすること、これ以外に安心立命に至る道はありません」
  • p14「臼井先生の「人生の究極の目的は安心立命を得ることである」という原点をしっかりと保持し」
  • p31「レイキの真の活用法は、・・・、臼井先生の到達された安心立命の境地を獲得することです。」
  • p32 ウスイ式レイキの定義として、「入り口は手当療法、究極の目的は霊的向上」
  • p38 「日常生活でのすべてが自動的にレイキと響き合うときに、臼井先生の示された「安心立命への道」が実現するからです。」
  • p48 「現代霊気法は、伝統霊気と同じく手当療法を入り口として安心立命をめざし、」
  • p50 「本書を手にされたあなたは、臼井先生が示されたように「手当からスタートし、安心立命に至る技法」として、レイキの恩恵を十分に享受していただきたい」
  • p180 富士の裾野を「レイキ法のスタート地点」とすれば、5合目までは「健康への道」が続きます。そこから頂上までが「幸福への道」です。・・・・そして、将来、「健康ゾーンにとどまり続けるか、幸福ゾーンへ進むか」は本人が選択します。

私としては、土居先生の著書の主張には疑問を持っています。
まず第一に、臼井先生が人生の究極の目的は「安心立命」だと言い切っていたという証拠は何もありません。伝統霊気で信頼できる文献としては「臼井先生のお墓の碑文」、「霊気療法必携」の公開伝授の文、「霊気療法のしおり」がありますが、このどこにも「安心立命」という用語は出てきません。この安心立命というのが出てくるのは、土居先生自身の最初の著書「癒しの霊気法」(1998年)のp44『そこで臼井先生は禅の道に入り、「安心立命の境地にいかにして到達するか」という真の悟りを求めて・・・』というのが最初なんです。つまり、これは土居先生が言い出したことか、あるいは土居先生が習った小山先生が強調していたことか、とも考えられます。「安心立命」は禅宗で使われる悟りの境地ですので、臼井先生が修行で禅寺に入ったときに、悟りをそのように捉えていた可能性は十分ありますが、鞍馬山に行って断食をして悟りを得てからは「安心立命」は、どこにも述べられていない、上記のどの臼井霊気療法学会の文献でも「安心立命」は出て来ていないのが史実なのです。

第二に、もしも土居先生の言うようにレイキ・霊気の目的が「安心立命」であるならば、なんで臼井先生はそれをもっと前面に出していないのでしょうか? もしも、臼井先生が「安心立命」という言葉が非常に大事だと考えていたのであれば、それが一言も出てこないというのは、何とも不自然なことではないでしょうか? これがもし非常に大事なことだったら、霊気を学ぼうとしている人には是非とも伝えたいことです。それに「安心立命」は秘伝的な表現ではありませんから、それをギリギリまで隠しておくというのも不可解です。 安心立命という言葉自体は、禅宗や儒学でよく使われており、秘伝でもなく、秘密でもありません。神秘伝まで行かないと教えないというたぐいの言葉ではありません。大事なことだったら、最初から教えてゆくのが自然なことではないでしょうか。つまり、臼井先生が到達した悟りというのは、少なくとも「安心立命」そのものではない、ということではないでしょうか。

第三に、ヒーリング・施療と悟りをこのように分けて考えることは、おかしいと思います。土居先生の主張『手当からスタートし、安心立命に至る技法』『5合目までは「健康への道」が続きます。そこから頂上までが「幸福への道」です』『「健康ゾーンにとどまり続けるか、幸福ゾーンへ進むか」は本人が選択します』はある意味歪んだ捉え方だと私は思います。このなかには、レイキ・霊気を療法として日々使っている人達は結局五合目にとどまっている二級市民という、暗に見下した気持ちが感じられます。後半で述べますが、私の考えではヒーリング・施療と悟りを得ることとは密接な繋がりがあります。このように表現されるのは、土居先生自身が施療の実践を、多くはされていないということかもしれません。

安心立命について

何が悟りか、というのは非常に難しいテーマです。悟りというのは、非常に色々な側面があって、単純な言葉として表現しきれるものではないと思います。「安心立命」というのは、確かに悟りの一つの状態であることは納得できます。どんな辛いこと、苦しいことなどがあっても、動揺せずに心を落ち着けて、自分のなすべきこと、自分が進むべき道を実践できる、というのは確かに悟りです。ですから、レイキ・霊気の悟り、あるいは臼井先生の考えていた悟りは、当然「安心立命」を含んでいたことは違いないでしょう。しかし、悟り=安心立命ではないことは明確だと私は思います。

私がこの「安心立命」という考えから感じるのは、その視点が非常に自分中心であるということです。自分の心の状態、自分の方向性という「自分」がテーマになっている表現です。つまり、世の中のこと、他の人のことが視点として欠けていると思います。想像ですが、これは座禅修行中心の禅宗で用いられたということも関係しているのではないでしょうか。私の考えでは、悟りというのは必ず他の人との関係、社会との関係の中で考えるべきものであって、自分の心の中、自分の道の中だけで完結してしまうものではないと思います。「安心立命」は確かに悟りの側面の一つですが、そればかりを強調してしまうと、自分本位の悟りに捕らわれてしまうという危険性があるのではないかと危惧します。

西洋へはどう伝わった?

高田先生が悟りをどう捉えていたのか、というのは興味あるところですが、それを知るのは容易ではないです。頼りになるのは、高田先生の直接のお弟子さんたちが書いた「Helen J. Haberly著 "Hawayo Takata Story" ISBN= 0944135064」 あるいは「Fran Brown著 "Living Reiki: Takata's Teachings" ISBN= 0940795108」です。しかし、これらを読んでみても、高田先生がどのように悟りを捉えていたのかというのは何も書いてありません。

実は、高田先生が教えていた臼井先生の寓話というのは、悟りというテーマとは少し距離があるのです。高田先生が作った話によると、臼井先生はイエス・キリストが行った手当てが実現できないかという動機で、手当てを研究してレイキに行き着いたことになっていて、悟りを得ようと苦しんでいたわけではないのです。高田先生作の臼井先生の活動というのは、純粋に手当て療法、治療という側面に限られていて、悟り的な要素はまったく語られていません。もちろん「安心立命」という言葉も出てきません。「五戒」はかなり変形してですが語られていますし、レイキ自体がスピリチュアルな要素がありますから、そういう内容は少しはありますが、いわゆる enlightenment という単語は、これらの文献には見つかりませんでした。こういったことから、実は高田先生の段階では「悟り」というテーマは明示的には伝えられなかったという可能性が高いと思いました。上記2つの文献では、レイキ=治療・ヒーリングというのが前面に出ています。

では、西洋レイキにおけるレベル3というのはどのようにして出来上がっていったのかというのは、また別に面白い研究テーマですので、これからも調べてゆこうと思います。

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