納棺師

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納棺師と日本の文化

以前から見たいと思っていた「おくりびと」を観ました。モックンの映画は大抵好きですので、それも興味があった理由です。この「おくりびと」、映画としては僕の辛口評価としてはいまいちでした。題材とかキャストとかは素晴らしいのに、人の感情的のヒダまで入ることはなく、題材の良さに頼ってしまっている感じです。気に入らない点は多々ありましたが、一番の不満は主人公の最初の体験から、納棺師としての生き方に興味を持ち始めるその気持ちの変化の過程をもっと繊細に描写してほしかった。

さて、この雑感にこのことを書いた理由は、納棺師という仕事に非常に感動を覚えたからです。仕事としてというか日本の文化の良い点というか。納棺師はもちろん遺体を扱うのですが、実はセラピストにも似た面があって、遺体の服を脱がせたり着せたりするのは、アロマトリートメントのタオル裁きと共通した仕草がありました。アロマトリートメントの場合は、いかにクライアントの肌を露出しないでタオルを移動したり、交換したりするのです。そして、遺体の手を組み替えたり、合掌させたりって、アチューメントの時の仕草を思い出させてくれました。

そういう意味でまず親近感を感じたのですが、何よりもすごい!と思ったのは、遺体の処理・着替えという、そのままやってしまったら、見方によってはグロテスクだったり、醜いと感じるものを、遺族の側からは綺麗に、尊厳を高めて、愛情を感じやすいように、進めてゆくっていうのは、単なる技術を通り越して、尊さや、崇高さを感じさせ、そうか日本の文化って正にこれなんだって、思いました。普通の日常の何気ない動作を、高度に洗練させて、芸術的なというか、美しさを作り出してゆく、それが日本の文化の誇れる面の1つだと思います。日本語には素晴らしい表現がありますが、洗練された「所作」によって、その場の空気感さえも作り出してゆく。茶道という、実務的には単にお茶を飲むということも、洗練するとその動作だけではなくて、その場に臨している人の心にまで関わってくる、次元の高いものになる。納棺師の場合は、そのずっと上をいっていると思います。単純に普通に行なったら、醜いものになりかねないことを、見かけも心も180度反転させてしまう。日本人の死に対する概念にも触れる所があります。

これは、本当に大事な日本の文化の1つだと痛感しました。

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