レイキの疑問

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香りの森

愉気法の考察

仁科まさき

野口晴哉先生が作った野口整体には、いろいろな技法がありますが、気を送る「愉気法」というものがあります。霊気と、いったいどのような違いがあるのか気に なっていましたが、全生社「愉気法Ⅰ」という野口先生の本を入手したので、読んでまとめてみました。(これは著作ではなく、講習や講演をまとめたもので す。書店では売っていませんが、全生社から購入できます)

●愉気のやり方

【p42】積極的に下腹に息を吸い込んで、手から吐くような気持ちで相手の中に気を送るのを愉気と申しております。

【p192】愉気というと、まず腰から腹に深く息を吸い込んで気を満たし、 手掌から相手の体内へ深く気を輸り込むべく気を集注して、 手掌を相手に当てたまま静かに息を吐く。

レイキとは違うということが、この基本的なやり方の部分に端的に現われています。 ずっと息を意識しながら集中していなければならないということです。 どちらかというと、気功的な方法ということがいえると思います。 この点が実は、後述の愉気の問題点とも関連しています。

●愉気のイニシエーション

【p64-65】

[気の誘導] 皆さん、輪になってください。手の繋ぎ方は、隣の方の手首を触るように軽く持って繋ぎます。後は目を瞑ってポカンとし ていれば宜しいのです。ただ、やることは、最初に吸う息を合わせるのです。息が合わないと駄目です。それで、私が「息を吸い込んで下さい、ハイ」と言いま すので、「ハイ」と言い終えた時に吸い込んで戴きます。後は呼吸は普通にして、ただポカンとしていればいいです。そして、終えました時にもう一回私が「息 を吸い込んで下さい、ハイ」と言いますから、その時に一緒に息を吸い込んで戴く。それだけです。

[合掌行気] 今度は、両手を3センチくらい間を開けて合わせ、目の前に出します。それを見ておりますとだんだん手がくっついて行きます。ピタッとくっつ いたならば目を瞑りまして、そして、指から息を吸い込み、指先から吐いてゆく、そういうつもりで呼吸をして戴く。そういうつもりだけでいいのです。手にだ んだんいろいろな感じが起こってきます。

[テスト] 力を抜いて左手を差し出し、それに右手を向けて指先から気を送ります。そうして暫くすると掌に冷たい感じ、暖かい感じなど、何か感じが起こります。それをそっと動かしてみる。するとその通りにその感じが動いて行く。

手を活性化させるだけということです。この時も呼吸を合わせるということを強調します。手以外の頭頂などの調整はありません。 後で議論しますが、私の考えでは、レイキと他の手当て療法との決定的な違いを生んでいるのは、頭頂を丁寧に調整するかどうかだと推察しています。

●愉気の心持ち

【p38】愉気して気を送ると、どこが変るか分からないが元気になる。けれども不安や闘争心はいけないのです。 平静な気持ち、天心と言いますか、自然のままの心でスッと手を当てると良くなる。

【p94】天心は無念無想です。虚心です。空っぽなのです。雲のない空と同じ、空っぽなのです。 そういう、自信も何もない気持ちでスッと愉気すると、スッと感応する。自信を持ったり、 過去の何回かの経験で必ずよくなるなどと思ってしまったり、言ってしまったりするのは可笑しい。

【p41】愉気をするのに“生かしてあげよう”などという親切は私にはありません。 逆に「古くなったのだからもう死んでもいい」などと思うこともあります。

この辺は霊気と大変近いと思います。私が感じるのは、野口先生が個人的に行っていた愉気は、かなり霊気的な気の割合が多かったのではないかと思います。 しかし、初心者や天心の心持ちが出来ていない人は、それが必ずしも出来ない技法のように感じます。

●感応

【p42】ともかく、心を一箇所にずっと集注して、その密度がたかまると、気の感応が行われます。 手を当て、気を集注すると、それに応じて相手の内の力が発揚されることを感応と言います。

【p61】愉気というのは、いつ終わるか判らないのです。感応する感じが起こって、 もう良くなったという時に手を放すのですから、プロには出来ないのです。

この「感応」という表現がしばしば出てきます。霊気の場合は、いちいち感応するかどうかということは気にしませんが、 それは霊気では感応が常に起こるからです。実は以下の「愉気の問題点」で述べますが、愉気の場合は相手と合わない、 感応しない場合があるということです。だから、感応ということを逆に気にしているのではないでしょうか。

●病腺の感知

【p193】行気の訓練を積んだ人の手掌は、相手の異常箇処に触れていると、ムズムズした蟻走感や、 スースーした涼風感、温感などのほかに特殊な感じがある。疼痛感や麻痺感に似て、そうでない感覚である。 ・・・・・・暫くすると自分の手掌の感応的感覚は去って、普通の感じになってしまう。この時に当てた手を外す。 愉気のために当てた手掌は、この感応が去るまで、気を集注して当てておかねばならぬ。

【p164】ですから動き過ぎて、過敏になっている処を愉気するのです。ビリビリしたり、あるいは温かく感じる処に手を当てます。 そうすると、今度は怠けている処、緩んでいた処が、ビリビリしだします。そこを押さえて愉気していますと、 今度は冷たい処が感じ出してきます。感じ出したらまたそこを押さえます。 そうやって相手の変化に従って押さえる処を進めて行くと正確に変化します。
愉気すると、そういうように反射的に体の内に変化を起こします。自分で考えなくても手が次々とひとりでに移って行きます。探さなくてもいいのです。
昔は掌心発現と言ってその出る順序を探したものなのですけれども、近頃は手がひとりでに動く方に任せるとスラッとそういう処を押さえて行きます。

霊気と大変にています。愉気にも霊気と全く同じように、病腺を感じるテクニックがあるようです。霊示法的な形もあるようです。ただ、野口先生以外の人が、これらのテクニックをどれだけ使えるのかは不明です。

●愉気法の問題点

【p27】 歩けなかった子供のお父さんは、心配を愉気していた。お父さんが愉気すると、 動けなくなるのです。不安を愉気していたからです。それで、「お父さんはお止めなさい。 あなたの愉気は“不安”の愉気だ」と言いました。お母さんは、何が何でも丈夫にしてしまおうと、 闘争心を愉気していた。

【p70】 それから全然感応のない人がありましたら誰かと替って下さい。気が合わない場合があるのです。 強い弱いではなくて、合う合わないがある。良い悪いなくて合う合わないである。合うということだけがいいのです。 合わないというのは悪いのです。

【p63】 そして、子供を持ったお母さん達に愉気を教えるようになりました。親と子は一番感応し合うのです。

【p109】 ですから、愉気する人も、気の合わない人とか厭々やるとかいうようなことは全部止めて、 そういう人には頭を下げて断ったらいい。

送り手が、自分の呼吸に合わせて気を送り込むというやり方をする愉気では、送り手の意図が知らず知らず入り込んでしまうのは、 当然ともいえます。野口先生のように意識の高い人は、それでも上手く行くと思いますが、 この例のお父さん・お母さんではそういった問題が出てくるのは不可避でしょう。

また、送り手個人の気の割合が多くなりますから、当然相手によっては合わない場合が起こってきます。 これも、愉気のやり方からして自然の結果だと思います。

●愉気に対する個人的な推察

自然体にしていれば自然に気が出るという霊気の事実は、野口先生でも認識できていなかったようです。 野口先生自身が、当初は霊術家から学んだという影響もあるかもしれません。

私は以前から感じていたのは、霊気の良い点は、頭頂を丁寧に調整するということです。そのようにすることで、 自然に気が豊富に流れるようになるのです。つまり、手だけ調整してもある程度は気が流れるようになるが、不十分なのです。 愉気の場合は、初心者でも気が出るように呼吸に合わせて気を出すということで、これを補っているのだと思います。

頭頂を調整するのには、もう一つメリットがあって、それは精神性によい影響があるということです。 つまり、霊気の場合は、頭頂が調整されているので、霊気をするといつも頭を気が通るようになり、 使えば使うほど、メンタルにもよい状態になります。
愉気の場合はこれがないので、自分の怒りや心配が解消されないまま、手を当て続けることになり、 意識して送るという技法的な側面も合わさって、良くない気を送ってしまったり、 相手と合わない場合があったり、するのだと想像します。


以上、野口先生の本から愉気に対する考察を、霊気との関連から行ってみました。ここで論じているのは、あくまで愉気の「気」の性質です。愉気は、それ単独の施術法として独立しているのではなく野口整体のその体系の中で使われて、本来の実力が出てくるのかもしれません。逆に、霊気はそれ単独で成立する強固な施術法であるという特徴もハッキリしてくると思います。

霊気はその基本的なやり方、 霊授・アチューンメントの方法、伝授形態、印の技法、遠隔の技法など、内容と形が非常に完成されたものだという点を痛感いたします。愉気法は手当て療法と しては、かなり原始的と表現して良いと思いました。ただ、この本に紹介されているように、頸椎の何番、第何調律点に愉気するというように、野口整体の技法 と組み合わせることによって、愉気らしさが出て来るのかもしれません。これにご興味のある方は、この「愉気法Ⅰ」をご覧になると良いと思います。

私の考察は一面的かもしれませんし、誤解もあると思いますので、お気づきの点がありましたら、ご指摘願えれば幸いです。

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