婦人系の重い病気も最近は増加傾向にあります。乳ガン、子宮頸がん、子宮体がん。自分は大丈夫と思って他人事でいるわけにはいかなくなっています。この記事は 高橋真理子著「子宮頸がん予防」という本を参考にしております。 (私ははまだまだ勉強中なので、誤解があるようでしたら指摘して下さい)
乳ガンと子宮体がんは、そうすればかならず発病するという原因が良く分かっていませんが、子宮頸がんは、ある程度の原因が分かっています。
子宮頸がんは、「ヒト・パピロマー・ウイルス」(略してHPV)が原因と分かっていますが、それでもなかなか単純ではないです。このHPVは20代だと50%の女性、50代までだと80%の女性が一度は感染し、感染しても普通に免疫で排除されることが多いので、そのあとで持続的に陽性つまり細胞内に止めている人は5%とデータがあります。そして、それが全部ガンを発症するわけではないです。
それから、子宮頸がんは、その段階として「上皮内ガン」で留まっているか「浸潤」しているかで、大きく別れます。浸潤してしまうと、広がっていきます、転移もしますが、上皮内ガンで留まっている場合は、部分的な切除で対処しやすいです。
(上記書籍p88)
非常に浅いCIN1では90%が自然治癒、CIN2や3では、5%が自然治癒するようです。医療としてはCIN2位までは治療はしないで、定期検査で対応するようです。このCIN3の上皮内ガンになる初産年齢の女性が急増しています↓
(上記書籍p91)
これは実に尋常ではない増え方です。もちろん浸潤ガンの人も着実に増えています。こういった事実は、公衆に確実に知らされているわけでないです。実は、私の生徒さんでもCIN3で様子見ですという方が何人かいらして、確実に身近な問題になっているのです!
このHPVにはワクチンが開発されています。これまでのワクチンというのは病原菌を弱体化して作り出すのですが、このHPVのワクチンは、ウイルスの殻だけを産生して、それを使っているので、たまたま強い病原体が残っていて、その病気になってしまうと言うことがありません。しかし、アジュバントという免疫促進剤を入れたり、免疫機構を刺激するので、非常に希に摂取直後に一時的に意識喪失という副作用があるようです。
このワクチンは万能ではありません。HPV自体は200種以上の型がありますが、そのうちでガンを引き起こすのは十数種と言われており、現在のワクチンは多くのガンを起こす2~4種類のウイスルのものしか開発されていません。
どの型のHPVがどれぐらい子宮頸がんを起こすのかは地域差があるのですが、日本では「16型と18型」のウイスルが子宮頸がんの60~65%を起こし、とくに20~30代(初産年齢)の子宮頸がんでは80%になるようです。ですから、ワクチンを使えば、子宮頸がんの確実な低下が期待できます。
しかし、このワクチンはすでにHPVに感染している人に使っても、住み着いてしまったウイルスには効果がありません。ですから、ワクチンが意味があるのは、性体験のない女性に限ります。欧米でワクチンが使用されているのは10歳前後の少女だけです。しかし、子宮頸がん発病のリスクは確実に低減させます。
そもそも、多くの大人が持っているので、感染しないようにするのが難しいし、女性は男性から感染するわけなのに、男性の側は、検査法も確立していないし、男性側に関してはなにも手がないのが現状です。感染しても、9割以上の人は排除できてしまう。しかし、上皮内ガンは激増している、対処が難しいですね。
▶ 成人の場合は、HPVが子宮頸部の細胞に留まっているかどうか検査をすることです。検査は確立されていて、医院に行くのが嫌な場合は、自己検診キットも確立しています(自分で細胞をとって匿名の郵送で結果が分かる)。
▶ 検査してHPV陽性の場合は、定期的に細胞検査をする。陽性でも異形成がなければ、3年ごとの検査で十分なようです。
▶ ワクチンは10歳前後(性体験以前)で摂取しなければ意味がない。(ワクチンで陽性のウイスルを排除することは出来ない) つまり、ワクチンを接種するかどうかは、本人の意志ではなくて、親の意思になると言うことです。これが非常に悩むところですね。私も判断のしようがありません。
自然療法に関わっている立場で全体的に思うのですが、結局は心配しないといけないのは、子宮頸がんだけではなくて、子宮体がん、乳ガン、大腸ガンなどなど多数です!大事なのは「ガンの出来にくい身体にする」ではないでしょうか?
〇良い食べ物をバランス良く取る
〇ストレスケアをする
〇代謝を下げない
〇運動をする
〇動物性脂肪の制限
それから、本を読んで思ったのですが、政府は何もしてくれません! (善意で)謝ったことをしてしまう場合もあります。もちろん、正しい事をしてくれるには越したことはないし、してくれるように働きかけた方が良いのですが、でも、自分を守ったり、自分の家族を守ったりすることに関しては「政府は何もしてくない」と思って、行動した方が良いと思います。
自分の健康に関しては、あまりに自覚のない人が多いです。多すぎます。政府は、面白いほど予防の啓蒙はしません。自分で、病気を予防していく、ガンになりにくい生活をする、こういった点で、私たちが草の根、自己防衛でやっていくしかないと感じました。