アトピーとは、レイキの役割とは?

香りの森
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アトピー性皮膚炎
  40年間で進歩がない・・・

ある病院の統計によると、アトピー性皮膚炎で受診に来る患者は、すでに1967年→1987年でも7倍に増加しています。私がレイキを始めた2000年代からアトピー性皮膚炎は、すでに多くの人を悩ませていました。その後の20年間何が変わったかというと、全く何も変わっていません。いまだにその治療法はもちろん、どのような原因で、どのようなメカニズムで発症するのか、まったくもって分かっていません。皮膚科へ行くと、ステロイドを処方されて終わりというケースが大部分ですが、それで完治することは希です。

アトピーの増加

これまでにも個別個別の方達にはアドバイスをさせて頂きましたが、私の経験や認識も少しずつは進歩していますので、今回このページを全面的に書き換えさせていただきました(2021年6月)。私なりにこれまでのセラピーの経験や文献・書籍を参考にして、アトピーにどのように対処していったらよいか、参考になる情報・考え方を提供させて頂きます。

● はじめに

アトピー皮膚炎は医学的にも代替療法の立場からも非常に難しい問題です。医学的にはそのメカニズムは全くわかっていませんし、根治させる治療法はありません。代替療法でもそれは似ていて、ケースバイケースで良くなる場合がありますが、こうすれば確実に効果があるという療法がありません。レイキを使った場合は、効果は確実にあっても半年1年と根気よくケアしていく必要があり、効果も限定的な場合があります。

つまり、アトピー皮膚炎に関しては、私達の中でなにか根本的な部分で理解できていない点があるということです。

対処療法としては、ステロイド剤が一時的には必ず効果がありますが、それでアトピーが治ったと勘違いして、ステロイド剤を使い続けて、逆に悪化させてしまうということもよく見られる問題です。このページではステロイド剤の正しい利用法も述べていきます。

このページでは、現在ある情報からアトピー皮膚炎とはなにか、どのようなメカニズムが考えられるか、どのような治療が考えられるかを私の頭が働く範囲で考察して、みなさんとシェアしていきたいと思います。

●皮膚を理解しよう

アトピーの現象を理解するには、皮膚を理解することが必要です。解剖生理入門3でもお話ししていますが、皮膚は身体を守る一番外側のとても大切なバリアーです。基底層で生まれた細胞は、徐々に上に押し上げられて、最終的には角質になります。この角質ですが、「角質細胞」だけではなくて細胞の間は「水分」と「細胞間脂質」で満たされています。細胞がレンガだとすると、レンガとレンガの隙間を埋めるセメントのような物が必要なのです。細胞だけでは隙間だらけになってしまって、異物が侵入してきます。それを防いでいるのが、水分と細胞間脂質です。この脂質の多層構造体を「ラメラ構造」といっています。 (http://www.veilly-tokyo.com/special/から図をお借りしました。)
ラメラ構造

〇セラミドとは

細胞間脂質は主にセラミド(50%)、脂肪酸、コレステロールで構成されますが、この細胞間脂質が減ってしまうと水分も蒸発して行ってしまいます。セラミドは、アミノアルコールと脂肪酸が結合した物質群です。ヒトの肌には、細かく分類すると300種以上のセラミド分子が確認されています(図はhttps://www2.kek.jp/ja/newskek/2008/mayjun/CERT.html からお借りしました)。

セラミド分子

セラミドは、基底層の上で角質層の下の顆粒層で産生されて、上に運ばれるようです。角質層の細胞は死んだ細胞なので、角質層で何かが上手く行っていない場合は、その下の層で何かが上手くいっていない事になります。

●アトピーの状況証拠

【1】戦前はなかった
アトピー状態を作り出してしまう根本的な原因は分かっていません。分かってはいませんが、状況証拠は衣食住です。戦前はアトピーは少なくとも一般的ではなかったこと考えると、その原因は「居」「食」「住」のどれかにあると言わざるを得ません。一番疑われるのは身体に入ってくる「食」ですが、「居住」も無関係ではないかもしれません。

アトピーは完全に現代病そして日本人に多く見られる症状だと言うことです。ある病院の統計によると、アトピー性皮膚炎で受診に来る患者は、1967年→1987年で7倍に増加しています。昔はこんなモノはありませんでした!昔も、子供に湿疹が出るというのはありましたが、成長すると自然に治るというのがほとんどでした。大人がアトピーに罹る、大人になってから発症するというのは昔はありませんでした。ハンガリーで靈氣を教えた際に、今日本で問題になっている症状ということで、アトピーの話をしましたが、そもそも症状自体をうまく理解してもらえませんでした。ハンガリーには(問題になる程の)アトピーはないのですね。日本でも単純にいえば、昔の生活スタイル、昔の食生活に戻れば、アトピーはなくなると言うのは、完璧に論理的な帰結です。その辺にアトピーを理解する鍵があるのだと思います。

【2】ある広がりを持ったエリアで起こる
私が実際に見させて頂いたアトピー皮膚の状態で、全てに共通しているのは「アトピーはある広がったエリアで発生する」「大抵は複数の飛び地のような離れた複数のエリア」「大抵は左右対称である」ということです。

もしも外的な要因あれば、もう少し局所的な狭い範囲だったり、エリアは一つだったり、左右非対称であったりすると思いますが、そうではありません。何か身体の内部に問題があって、発生している現象と考えるのが自然です。

もちろん、お風呂の水とか、衣類に使う洗剤という可能性もありますが、多くのアトピーは首や顔にもしばしば発生しますので、根本原因がお風呂とか衣類であるというのは考えにくいです。

【3】乾燥している
アトピーのかたを見たときは、必ず触らせてもらっています。私が触った全部の肌に共通しているのは「乾燥」です。ジクジクというのはないですね。これはステロイド剤を使った結果でゴワゴワになっている場合もありますが、基本は乾燥です。アトピーの共通点として、ラメラ構造が崩れてしまって、水分が蒸発してしまっているのだろうと強く推察されます。

【4】〇〇をすれば治るというのがない
世の中を探すと実に様々なアトピー療法があり、〇〇をして改善した、〇〇を試したら良くなったという情報が色々あります。多分、どれもウソではないと思います。逆に言うと、根本的な原因は体質にあるように思います。ストレスケアして良くなったケースもあるし、食事を工夫して良くなったケースもあるし、整体のようなことをして治ったケースもあるし、何かからの内側の問題であるように考えるのが自然ではないでしょうか。

●何が起こっているのか

皮膚のバリアーが弱くなったり無くなったりすると、細菌、ウイルス、化学物質が侵入してきます。普通の人が全く何も起きずに生活している衣食住の中でも、皮膚バリアーが弱い人が生活すれば問題が起きます。浸食された皮膚が炎症を起こります。

たとえば、化学物質の場合は、特定の化学物質に免疫が反応しやすい、あるいは過剰に反応する(アレルギー)ということはありますが、これは様々な場合が考えられます。飲料水の塩素成分に反応する場合もあれば、自分の汗に反応する場合もあるでしょう。通常は皮膚の上に存在している常在菌も内部に入りこめば問題を起こすかも知れません。アトピーで分かることは、皮膚というのは私たちの生活では思っている以上に私たちを守ってくれているということです。

すでにアトピーになっている場合に、〇〇にアレルギーがあるというその点を過大に捉えてしまうと、根治にはつながらないと思います。その物質が、入り込まないように皮膚の状態をいかに改善するかが大事だと思います。私が見たアトピーのかたは、一般的に言って皮膚を積極的にケアしようという意識が高くないと思いました。皮膚のほうは放っておいて、いかにその物質や環境を遠ざけようということに努力を払っているケースが多いと思います。もちろん、それは短期間には大事ですが、環境物質など無数にあります。空気、水、衣類すべてをコントロールするのは無理があります。それよりも、皮膚のラメラ構造をいかに復元するか改善するかに最大努力を払わなければ根本は変わりません。

これは皮膚科の医師にも問題があります。アトピーと診断して、ステロイド剤を処方して、それは「様子を見て下さい」というだけで、どのように皮膚の状態を改善するのかにまで指導している医師は少ないように思います。

アトピー皮膚炎とは、単純に言えばある範囲の皮膚の炎症です。本来は、炎症というのは体の全く正常な反応です。外からの異物が侵入することで、自然免疫や傷ついた細胞がサイトカインなどの化学物質を放出して、それがマスト細胞にヒスタミンを放出させたり、白血球が移動してきて、異物を処理します。アレルギーになるとIgEなどの抗体が作られすぎてしまい、ヒスタミンが多く出過ぎてしまいます。ステロイドはそれを軽減してくれるわけですが、遺物が混入するのを防いではくれません。

●アトピーはアレルギー?

どうもネットを見るとアトピー皮膚炎は花粉症や喘息のように「アレルギー疾患」として、分類されているようですが、私はこれはある意味おかしいと思います。花粉症や喘息は身体の表面の防御機構としては一応正常に働いていて、内部の免疫機構が過剰か反応しています。

しかし、アトピー皮膚炎は、まず皮膚バリアーが失われるということから始まっていると思います。それによって、色々な物質が体内に入り込むことでアレルギー反応を起こしているわけで、アレルギーが起こることはあくまで結果であって、免疫機構の問題が最初にあるのではないように思います。この辺は、人によって意見が分かれるところかも知れませんが、花粉症や喘息と同列に考えることは出来ないと思います。

●アトピーは排出機能?

アトピーの人にレイキを使うと、一時的に炎症が増えることがあります。そうならない場合もあります。これをどう捉えるかは難しいところです。免疫系が活性化してて、炎症を治すための治癒反応が高まったのか、あるいは身体の排出機能なのか。

レイキをすると、代謝がアップして、血流が良くなり、これまで細胞間や組織に溜っていた毒素・老廃物が身体を回るためかもしれません。アトピーの人は、普通の人がもっている解毒作用が弱いために、最終手段として皮膚から毒素を排出するということが起こっている可能性はあります。私は、アトピーの人はステロイド剤を使っていなくても、独特の体臭があると感じることがあります。アトピーは身体に溜まったものを排出しているという考え、「アトピー解毒説」を支持する人もいます。私も以前はその可能性がかなりあると考えていましたが、今はそれよりも単純に衣食住によって、身体の体質が影響を受けて、皮膚バリアー・ラメラ構造をうまく作れなくなってしまっためと考えています。

●アトピー体質とは?

アトピー皮膚炎の人に多く見られる体調の特徴や生活習慣を見てみましょう。ご自分がアトピー持ちでしたら、このリストと比べてみて下さい。

私自身は、実は中学生の時から花粉症(当時はアレルギー性鼻炎といっていました)ですが、アトピー的な要素は現われたことはないです。このリストでは「甘いものが好き」が当てはまるだけです(笑) これらアトピーの人がもっていることが多い特徴から言えることは:

こういったことは、身体の中で毒を溜めやすいということもあり、「アトピー解毒説」との整合性はありますが、毒が溜まったことによってその作用でラメラ構造が作れなくなった、セラミドが作りにくくなったという可能性もあります。いずれにしろ、こういう傾向の体質がアトピーと何らかの関係があるということは間違いない部分だと思います。

●アトピー皮膚炎のメカニズム

分からないことが非常に多いですが、私なりにアトピー皮膚炎のメカニズムをまとめてみると、次のようになります。 アトピーのメカニズム

●どうすれば改善する?

こういったことに気がつけば、あとはどうすればよいかは自明です。

〇悪いものを摂らない

これには二つの要点があります。一つは自然なものを摂ること。これはアトピーに限ったことではないです、健康になりたいのでしたら必須です。スナック菓子・ジャンクフードは人工的な成分のかたまりで、保存料や食感を偽装する物質が使われています。身体に良いわけはない!最近流行のカフェの飲み物食べ物も、脂肪と糖分の塊です。こんな物は昔の日本人は全く食べなかった。皆さん異常なぐらい脂肪+糖分を摂っています。
甘くて脂肪沢山の飲み物

電車に乗っていると、お母さんがベビーカーに乗っている乳幼児に、大量生産のスナック菓子を与えている光景を見かけますが、親が出来る最も愚かなことの一つでしょうか。よ~く考えてみて下さい。私たちが子供の頃は、こんなにスナック菓子が氾濫していなかった。加えて子供に市販のスナック菓子ばかり与えていると、味音痴になります。チェーン店のハンバーガーが美味しいと感じる人間になってしまいます。小さいときから、良い食べ物のエネルギーを味わせるのが、親の義務ではないでしょうか。宣伝やキャラクターに負けてはいけません。

ジャンクフード

「安全です」と食品会社や政府がお墨付きをしているのは、ほんとに安全ということではなくて「解毒機能が働く普通の人では、症状を起こしませんよ」ということに過ぎません。普通の人は一応適度な解毒機能がありますから表面的にはOKですが、そうでない人も一定の割合いるのです。

二番目は、過度に精製されたものを多く摂らないことでしょう。白米、精糖、漂白小麦など、精製されたものは消化が良いのですが、消化がよい→身体が怠ける:良く噛まなくてもいい:消化器系も怠ける、つまり消化器系の働きが落ちてしまうと言うことです。同時に食物繊維も減りますから、腸の働きも鈍ります。精製されていない玄米や全粒小麦は、ちゃんと噛まないと食べれません。歯に良い刺激を送ると、消化器系にも良い刺激が行き、消化器系が活性化します。加えて、精製度の低いものの方が、ビタミンやミネラルを保持しているので、もちろん栄養的にも良いです。(玄米・雑穀について+調理法

玄米

食べ物に関しては様々な情報があって「身体を温める"陽"の食品」とか、マクロビオテックの知恵とか色々あります。自分で何がよいかまったく分からなければ、こういった情報や知恵を活用するとよいと思います。

〇但し、私は食べ物に過度に神経質になるのは、あまり賛成できません。なぜなら、恐怖心・心配心が増大してしまうのは、逆効果になる場合もあるからです。人によっては、身体を冷やす食べ物、中庸の食べ物、暖める食べ物と、細かく分類して、気をつけて摂取する人もいますが、これは諸刃の部分もあります。そういうのが好きで苦にならないのであれば良いですが、気にしすぎて、心の歪みを作らないように注意して下さい。

実際、私は食べ物に神経質な人で健康な人は見たことがありません。レベル3まで習われた人なら理解して頂けますが、一番良いのは「自分に合う、良いと感じる食べ物のエネルギーを感じ取れるようになる」ことです。究極的には、自分の感性・直感を磨いて、自分が良いと感じるエネルギーをもった食べ物を頂く、というのが一番良いのです。

アトピーの人は、まだそれは難しいと思いますので、まず既存の情報を活用して「良いと思われる」食品を摂るのが良いですが、ただ口に入れて胃で消化するのではなく、どのような味や香りがするか、どのようなエネルギーをもっているか実験するつもりで、感性・感覚を生かして、ゆっくりと味わって頂く練習をすると、大きな一歩になると思います。そのようにしてゆくと、徐々に良い食べ物とはどんな感じなのかが、分かるようになってゆくと思います。

しかし、頑固なアトピー、長年にわたるアトピーの場合は、思い切って徹底的な食事療法を半年とかの一定期間試みるというのが、根本的な解決に繋がるかもしれません。昔は、今のようなアトピーなんてなかったのですから、十中八九食事にその根本的な原因があることは間違いないですから。ガンの療法の所でご紹介した「済陽式食事療法」をお勧めします。済陽先生の本は色々出ておりますが、とりあえずこれを読んでみて下さい。

済陽 高穂 (著) 「晩期がん再発がんも「食の力」で消せる」

また、私が試した[西式の断食療法]もアトピーに一定の効果がありますので、食に対する意識や体・健康に対する意識を変えるためにも、一度トライしてみる価値があります。 もしも私がアトピーになったら、最初に実行することはこの断食です。必ず良い効果があると思います。

 

〇代謝・血流をあげる

規則正しい生活をする:夜更かしをすると、身体の解毒が起こりにくくなります。夜はもともと、しっかり寝て、身体を休ませる=解毒の時間です。また、夜更かしをする=夜食を食べる=夜食は大抵ジャンクフード。ですから太るし、入ってくる毒も多くなりがちです。ちゃんと夜寝て、早朝起きることで、睡眠中に解毒が起こり、朝に起きて身体の代謝が上がります。昼近くまで寝て起きると、代謝が落ちたまま一日を過ごすことにもなります。夜更かしして夜食を食べると、朝食が食べれません。朝食を食べないと、消化器系は次の食事まで眠ったまま、自然と代謝が落ちてしまいます。少量でも良いので、朝食は必ず摂って、身体と消化器系を活性化しましょう。

身体を冷やさない:特にお腹と腰を冷やさないように。最近は全面フロアーの住居が増えて、これでも現代病に大きく寄与していると思います。足だけ温めても、上手く行きません。本当は冬はコタツが良いのです。コタツにするだけでも、冷えが改善されます。それから特に女性は、普段、腹巻きをする、膝掛けを使うと良いです。昔からの日本人の習慣とスタイルは大いに助けになります。

運動をする:冷え性の人には、ジョギングしなさい、といつも進めていますが、チョッとした軽いジョギングだけでも多大な効果あります。週に1回でも十分に効果があります。逆に言うと、現代の大人はあまりにも運動不足と言うことです。アトピーの人は皮膚炎が重いと、汗をかくと悪化したり、肌が服と擦れると悪化する場合があるので、これは症状と相談しながらになりますが、汗は清潔にしていれば、天然の美容液になります。運動前そして運動後に清潔を心がければ、プラスになるのではと思います。また、適度に運動をすると骨にも良い刺激が行って、良い血液が作られるという意見もあります。血を作っているのは骨の中なのです。質の良い血液はちゃんと解毒・排出が起こるための第一歩です。あと、カラオケも、腹部や心に良い刺激になっていいんじゃないでしょうか?但し、スナックを食べなければですが(笑)!

過度の緊張をさける:大人になってアトピーを発症する人の大部分は、「過度の緊張」が当てはまるかもしれません。一定期間、過度の緊張に曝されて発症したという例が多く見られます。仕事をしていると、当然緊張はさけられませんが、必ず一定のサイクルで、緊張を緩める時間を持つというのが、決定的に大事です。「忙しい」「やらないといけないから」といって続けていると、結局は自滅の道をたどることになります。これはその最中には自覚がなくなっている場合が多いので、難しいのですけれどね。

排出作用は、適度に代謝が上がって、適度な運動があって、適度に緩む時間が持てれば、自然に起こります。

〇アレルゲンを減らす

皮膚バリアーが低下しているときは、身体がいろいろなものに影響されますから、環境からアレルゲンになるものを減らすのは対処療法として必要です。でもこれは、あくまで対処療法です! 皮膚のバリアーを復活させない限りは、永久にアレルゲンと戦わなくてはなりません。これはよく理解しておかなければいけません。あくまで対処療法になります。

●ステロイド剤の使い方

私が多くのアトピー皮膚炎のかたで目撃しているのは、痒くて掻いてしまって、さらに皮膚の状態を悪くするというケースです。乾燥するから痒くなるという面もありますが、掻いてしまうと状態をグンと悪くしてしまいます。ですから、ステロイド剤を使って、痒みを抑えるというのは必要な処置に思えますが、ステロイド剤については多くの誤解があるので、ここで説明しておきます。

まずは、ステロイド剤というのは「薬としては超優秀なもの」です。つまり、効果は抜群で副作用も最小限です。皮膚だけではなく、一時的な炎症を緊急に止めるために一時的に大量投与する方法もあります。問題なのは良く効くけど、根治させるわけではないということです。

ステロイド剤を使うと一時的に炎症が治まって、治ったように錯覚してしまうことです。アトピーの場合は、ラメラ構造が直ったわけではなくて、単に炎症を強引に押しとどめているだけの状態です。ステロイド剤を止めてしまえば、炎症はまた復活します。ですから、ステロイド剤を使い続けると、状態としては変わらないか悪化していきます。

アトピーの場合は、ステロイドは治すのではなくて、問題を一時的に見えなくする、先送りにするのです。そして必ず副作用があります。ステロイドを使っていると(成分が酸化コレステロールに変化して)毒素として、皮下へ蓄積してゆきます。長期に使うと皮膚がゴワゴワになったりします。

悪いことに、薬というのは同じ物を使い続けると効かなくなっていきます。ステロイド剤も同様です。効かなくなると、より強いステロイド剤に切り替えて、さらに状態が悪くなり・・・とどんどん悪循環に陥っていきます。残念ながら多くのお医者様は、この悪循環を断ち切ろうとはしません。

ただ、痒みがひどいようでしたら、正常に社会生活を営めなくなってくる場合もありますし、極度の睡眠不足になってぼろぼろになってしまう場合もあります。ですから、ステロイドの使用は、それをうまくコントロールする強い意志と、それなりのインテリジェンスが要求されます。使うと決めたときは、医者だけに頼らず、自分で勉強したり、試行錯誤するなど、工夫が必要だと思います。

ステロイド剤は使っても良いのですが
  1)使う場合は期間を限って使う(たとえば2~3週間)
  2)その間にレイキや上記の方法で体質を改善する
  3)アレルゲンを遠ざける
  4)皮膚のケア・保湿などをしっかり行う

ステロイド剤を使いつつも、2)~4)をしっかりやっていけば、使う量を減らせます。それを継続していけば、収束に持っていくことが出来ると思います。

もちろん、ステロイドを使わないと決めたときは、つらい痒みと症状と戦うという強い意志が必要になってきます。どちらの道も、一方が楽というわけではないでしょう。そして、ただ盲目的に代替療法や自然療法に頼ることは、重々注意して頂きたいし、逆に医薬に対しても同様です

●回復の時間はどれぐらい?

アトピー皮膚炎はラメラ構造が崩壊しているとお話ししましたが、これが回復するためにはどれぐらいの時間がかかるのでしょうか? もちろん、体質自体が変化するだけでもそれなりの時間がかかりますが、仮に明日から体質が変化して、正常なラメラ構造が作られたとしても、変化を感じるまで少なくとも普通の皮膚のターンオーバーの期間は必要でしょう。これは20歳代で約28日、30歳代で約40日、40歳代で約55日、50歳代で約75日、60歳代で約100日と非常にゆっくりです。ですから、アトピー皮膚炎を改善してゆくというのは、最速でもそれだけの期間が必要になってきます。根気よく治療に取り組むことが必要になってきます。

●レイキはどう使う?

〇対処療法として

レイキの手当て

レイキは単純に対処療法として、炎症の起きている皮膚に手を当てて使えば、炎症は一時的に下がっていくと思いますが、皮膚バリアーが壊れている場合は、また刺激物質が入ってきて炎症が起きますので、いたちごっこになります。それ以上皮膚の状態を悪くしないという意味では、対処療法としてレイキが使えますが、やはり根治療法を併用していかないと終わりが見えなくなります。

〇根治療法として

レイキをすでにある程度使っている人は気がつかれたと思いますが、根治療法の観点から、これまで挙げたこうすれば良いという項目はほとんどすべてが、レイキが当てはまります。レイキをすると、リラックスし、身体の代謝が上がり、消化器系が活発になり、冷え性が改善し、おしっこが出たくなったりと、多くの人が実際の自分の体験として実感している点が多いと思います。レイキは確実にアトピーの要因へ働きかけます。

レイキを受けてから、低体温が正常になった、低血圧が改善したという報告も受けています。アトピー性皮膚炎自体は、すぐに改善しなくても、その要因になっている面には、レイキは速効がありますので、非常に力になると思います。根本的な問題はその人の生活自体に要因がありますし、体質は急には変りませんが、レイキで必要なスタートを切ることが出来ます。

では、根治療法として、どこに手を当てていくのかというと、身体を健康な状態に戻すためですが、それは人によって違ってきます。ヒビキや病腺が感じられるヒーラーさんは、頭からお腹までヒビキや病腺を探して、それらが強い箇所に手を当てて、一つ一つ落としてゆくのがベストです。目安を以下に簡単にまとめてみました。

手を当てる箇所
 〇冷え症や低血圧: 背骨、骨盤、お腹
 〇ストレス: 頭のヒビキのある箇所
 〇解毒として: 肝臓、腎臓
 〇汎用として: スタンダードポジションを使う

レイキ・靈氣を習った方だったら、自己ヒーリングだけではなくて、他人への手当てを積極的に行った方が自分のアトピーも効果がアップすると思います。レイキはとても有用だと思いますが、食事を自然な物を摂るように改め、環境からも人工的な物を減らしてゆく努力をするのが絶対に必要です。昔の日本人の生活に戻れば、アトピーはなくなるはずなのですから。

●他の療法

レイキ以外にアトピー体質を改善するといわれているものを紹介します。その時代の流行廃りもありますから、色々と試行錯誤されてみてください。

症状で困りながらも、いろいろと勉強したり、実践してゆくと、それはとっても貴重な体験になりますし、他の人がアトピーになったときにも、力になってあげられると思います。

色々教えて下さい

実は、私の身近や親戚にはアトピーの人がいません。もちろんクライアントさんとしては扱っていますが、私個人の体験や情報は限られています。皆さんの生の体験があれば、それは大変に貴重で、他の患者さんの助けになるかもしれませんので、どうか色々と教えて下さい、意見をお寄せ下さい、情報を頂ければ素晴らしいです。このページの内容も、それに従って更新・修正してゆきます。

情報・ご意見は:仁科まさき まで
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